子どもが大人になったときに世の中がどのように変わっているのか、どのような能力を磨けば生き抜いていけるのか、そんな疑問に答えてくれる本を紹介します。
なお、厳密には教育本のカテゴリーに入らないものも含まれますが、子供の教育を考える上で有益と思われるものはリストに入れています。
AI時代を見据えた教育本
子どもの教育を考えるなら、今の社会で活躍できるのではなく、子どもが大人になったときに生き抜いていけることを目標にする必要があります。来たるべき未来の姿と、世の中から必要とされる人材像を知りたい方はぜひ読んでみてください。
AI時代の子育て戦略
マイクロソフト日本法人元社長の成毛 眞氏による子育て論。障害者支援の教育サービスを手掛けるLITALICO代表の長谷川敦弥氏や堀江貴文氏との対談もあります。
子どもの才能や習い事に対するスタンスは共感するところが多かったですね。「AI時代を生き抜くために最新デバイスをどんどん与えて、ゲームを積極的にやらせるべき」と、世間一般の常識とは真逆の主張が刺激的で、思考のヒントを与えてくれます。
たった一度の人生を変える勉強をしよう
元リクルートのトップ営業マンであり、東京都の公立中学校で初の民間人校長となった藤原和博による著書。
かつての日本人の共通認識であった、一流の学校に入って一流企業に勤めるという”正解”が失われ、これからの成熟社会では、自分の手で”あたらしい答え”を探していかなくてはならなくなりました。
そのような成熟社会では、どのような能力が必要とされ、どうやってその能力を伸ばせがよいのか。本書ではそのヒントを与えてくれます。
すべての教育は「洗脳」である~21世紀の脱・学校論~
堀江貴文氏による教育論。一見過激に見えるタイトルですが、日本の学校教育の本質を突いており、まさに我が意を得たりといった内容でした。
国が学校教育で育てたいのは「国家にとって理想の国民」であって、家庭が求める教育とは、目的も教える内容も違うということを、まず認識する必要があります。
とくに「やりたいことを我慢し、自分にブレーキをかける」癖をつけてしまうことは注意が必要で、むしろ自分の没頭できることを見つけ、レア人材を目指すべきと説いています。
細かい内容を見ると、現実にそのまま実行するのは難しい面もありますが、学校教育の常識に惑わされないためにも一読しておくべきでしょう。
ワークシフト
2012年に刊行された「未来の働き方」の預言書。
本書では、2025年を想定した未来予想が描かれていますが、2020年現在、すでに一部では現実になっていることも少なくありません。とくにコロナ禍の影響は大きく、時計の針を一気に前に進めた感があります。
ワークシフトを読み返してみると、改めてその先見性に驚く。
この本では2025年を想定した未来が描かれているけど、コロナ禍によってもっと早く現実化するんじゃないかな。
というか、一部では既に始まってるんだよね。自分の仕事と子どもの教育を考えるなら、未来の働き方を知っておくべきだと思う。
— トネリコ@子どもの教育と家庭学習 (@sutanavi) July 17, 2020
子供の教育という観点に絞ってみると、とくにこれらの予言は無視できません。
- ゼネラリストから、高度な専門技能を備えたスペシャリストの時代へ。
- 交通手段の利用を減らすために在宅勤務が増える。
- オンライン学習素材が充実し、学校に行かずに在宅教育を受ける子どもが増える。
- 遊びと創造性がこれまで以上に重要になる。
- 学校を卒業しても学習は終わらない。生涯を通して学び続ける必要がある。
- 自分自身で主体的な意識を持って働き方を選択しなくてはならない。
10年後の仕事図鑑
堀江貴文氏と落合陽一氏の共著による、未来の働き方に対する提言。
いわゆる教育本ではありませんが、今後の世界で必要とされる人材像を理解することが、子どもの教育を考える上でのヒントになります。
既存の学校教育に対する固定観念から解放されて、より大きな視点から教育を考えることができる一冊です。
お金2.0
株式会社メタップス代表を務める佐藤航陽氏による、新しい経済のルールと行き方を論じた著作。
お金の本質と、テクノロジーによってお金のカタチがどのように変わっていくのかといったことが分かりやすく解説されています。
一見、子どもの教育とは関係がなさそうですが、教育のあり方を考える上で今後評価が高まっていく、お金になりにくい「価値」の存在は知っておいて損はないでしょう。
子どもが大人になった時の社会をイメージしよう
いずれも、子どもの教育を考える上で新たな気づきを与えてくれる本ばかりです。
親は、つい目先の成績ばかり気にしてしまいがちですが、10年後20年後のイメージが明確になるほど、長期的な視野から子どものことを考えられるようになりますよ。
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