学校の体育のせいで運動嫌いな子どもになる5つの理由

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学校の体育のせいで運動嫌いな子どもになる5つの理由 スポーツ

先日、フィンランドの校長が日本の学校体育に対する疑問を投げかけている動画に対して、こちらのリプライを送りました。

学校の体育が運動嫌いを生み出していることを見抜かれているね。

「評価してあげる」って言うけど、誰も頼んでないよね。しかも他者との相対評価だし。

運動をすることが、子どもにとってどんな意味を持つのか、何のためにやっているのかを考え抜いていないことがよく分かる。

すると、「自分も学校の体育のせいで運動嫌いになった!」とのリプライが大量に送られてきてビックリしました。

薄々感じていたことでしたが、これほど共感されるとは思っていなかったからです。

体育のせいで運動嫌いになる5つの理由

子どもって、放っておくとあっちこっち走り回りますよね。大人になっても、スポーツクラブやヨガ教室に通う人は少なくありません。

もともと運動嫌いな人って、本当はそんなにいないはずなんです。

できなかったことができるようになる喜びやセルフコントロールを学べることに意義があるのに、学校はやたら競争させたがりますよね。

本来、運動嫌いな子ってそんなにいないはずなんですけど、わざわざ運動嫌いを作るのはやめてほしいですね。

だから、本当なら運動ができる体育の時間は、みんな楽しみなはずなのに、なぜか体育のせいで運動嫌いになってしまう人が出てきてしまうんですよね。

なぜ、そうなってしまうのか?

おそらくその理由は5つに集約されると思います。

体育のせいで運動嫌いになる5つの理由

  1. やらされ感が強い
  2. 苦手でいることを許されない
  3. できないことが可視化されやすい
  4. スキルを教えていない
  5. 体育教師は苦手な人の気持ちが分からない

理由1.やらされ感が強い

強制したら、かえってスポーツ嫌いになりますよ。

自分みずからやることは楽しくても、人から強制されてやると、とたんにつまらなくなってしまうことってありますよね。

人間は自己決定したい生き物なので、楽しいことでも誰かに指示・命令されてやることには抵抗を感じるものです。

とはいえ、これは体育に限った話ではありません。学校の授業全般にいえることでしょう。

学校の勉強はすべてにおいて「やらされ感」が強いので、もっと学びを楽しく主体的なものにできるような工夫があってもいいでしょうね。

理由2.苦手でいることを許されない

学校は金太郎飴の工場なので、あらゆる科目で一定スペック以上になることを子どもに要求します。「みんな違ってみんないい」というのは建前で、実際にはよくないんですね。

そのため、たとえば跳び箱がうまく飛べなかったり、逆上がりができなかったり、縄跳びが飛べなかったりすると、できるようになるまで徹底的に練習させられる学校は少なくありません。

誰にでも生まれつき得手不得手はありますがお構いなしです。苦手なものを苦手なままでいることは許されないんですね。

もちろん、できなかったことができるようになるのは良いことですが、劣等感を植え付けるだけになってしまうケースも少なくありません。

また、月齢の問題も大きいでしょうね。

とりわけ、小学校低学年では早生まれはかなり不利で、成長の差がそのまま運動能力に反映されてしまうことも少なくありません。

理由3.できないことが可視化されやすい

体育の場合、できないことがその場でハッキリと同級生に分かってしまうんですよね。

いわば晒し者になってしまうわけです。ここが他の教科との決定的な違いでしょう。

さらに大縄跳びやリレー競争のような集団競技では、どうしても運動が苦手な子がやり玉に上げられてしまいます。

学校は連帯責任を取らせるのが好きなので、できない人は「他の人に迷惑をかけてしまった」と引け目を感じてしまいがちですし、いじめにつながることもあります。

体育が好きになるか嫌いになるかの大きな分岐点でしょうね。

理由4.スキルを教えていない

教師は「練習しろ」って言うけど
好きなことを練習するのは楽しいけど
嫌いなことを練習するのは地獄

縄跳び、逆上がり、跳び箱、ランニング、それぞれの体の動かし方にはコツがあります。もともと運動神経の良い子なら、教えなくても見よう見真似でできるようになるでしょう。

しかし、誰もがすぐできるようになるわけではありません。運動が苦手な子の場合、やはり、運動に応じた体の動かし方を分かりやすく教えてあげる必要があります

でも、学校の体育でやり方のコツを教えてもらったことってありますか?

私は記憶にありません。せいぜい「練習しろ」「頑張れ」の声かけくらいですかね。

もっとも、最近は昔に比べれば、それなりにやり方のコツを教えてくれる先生もいるようです。精神論に頼らず、運動スキルを教えられる先生が増えてくれるといいですね。

理由5.体育教師は苦手な人の気持ちが分からない

体育教師は、おそらく子どもの頃から体育が得意で、体育の時間が楽しかった人が多いのではないでしょうか。

とすると、体育が苦手で体育の時間が苦痛な子の気持ちは分かりませんよね。

また、おそらく運動神経がよくて見よう見真似でできてしまったでしょうから、苦手な人に教える方法も知らないでしょう。

体育教師は、どちらかといえば運動が得意な子とシンパシーを感じるでしょうから、苦手な子からは「先生も敵」と思われてしまうかもしれません。

参考論文

体育による運動嫌いの発生要因に関しては大学でも研究されているようで、ネット上にも論文が公開されています。

私はまだ目を通していませんが、参考までに紹介しておきます。

スポーツの価値は競争に勝つことだけか?

思うに、学校の体育って、競争させすぎ、勝敗にこだわりすぎではないでしょうか?

誤解してほしくないのは、私はなにも「順位をつけるのはダメ。みんな仲良く手をつないでゴールさせろ」と言っているわけではありません。

競争に偏りすぎると、先生が意図しなくても子どもたちに勝利至上主義の価値観が植え付けられていくことを危惧しています。

でも、スポーツの価値って勝つことだけでしょうか?

スポーツなんてもともとは遊びです。ようはゲームと同じで(実際、サッカーの試合をゲームと言いますよね)楽しんでなんぼです。

加えて、心身の健康維持に役立ったり、できなかったことをできるようになる喜びを感じられるといった価値があるわけです。

だからこそ、体育嫌いでも、学校を卒業してからスポーツの楽しさに目覚める人が多いのでしょうね。

「日本一でしかその気持を味わえないのだったら、スポーツにまったく価値はない。スポーツは、みんながそれぞれ喜びを享受することが可能だから価値があるんですよ。」

ラグビー日本選手権V7を成し遂げた故平尾誠二氏の言葉です。

スポーツの社会的な価値も、時代に応じて変わっていくものだよね。

以上、学校の体育のせいで運動嫌いな子どもになる5つの理由…でした。

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