不登校を解決するより、子どもの将来のために大切な2つのこと

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不登校を解決するより、子どもの将来のために大切な2つのこと 不登校

文部科学省のデータによると、平成30年度における小・中学校における不登校児童生徒数は164,528人、1,000人あたりでも16.9人と急増しており、平成10年度以降最多となっています。

不登校児童生徒数の推移平成30年度

引用元 平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要

きっと、このような悩みをお持ちの保護者の方は多いのではないでしょうか?

「不登校のこの子は将来生きていけるんだろうか?」

私の家にも、過去を含めれば二人の不登校児がいるので、気持ちは痛いほど分かります。

しかし、じつは登校しているかどうかなんて、あまり大きな問題じゃないんです。子どもの将来のことを考えるなら、もっと重要でフォーカスすべきことが2つあります。

結論から言うと、登校しているかどうかに関わらず

  • 学習習慣を身につけさせて必要な学びを進める
  • 子どもが本当に好きなこと、やりたいことを応援する

この2つを徹底的にやるべきです。

なぜでしょうか?

その理由を、これから詳しく説明していきますね。

登校することは不登校の解決策にならない

登校することは不登校の解決策にならない

学校の立場では、不登校の解決って「子どもが登校できるようになること」ですよね。

でも、ちょっと待ってください。

それって本当に解決になるんですか?

そもそも、なんで学校に通わなければならないんでしょうか?

学校に通えば学力と社会性が身について、大人になっても生きていく力がつくから?

立派な学歴を身につけて、就職を有利に進めることができるから?

これって本当ですか?

もちろん、学校にしっかり通って、大人になっても自分の生活に満足している人もいるでしょう。

しかし、中にはこんな人もいませんか?

  • 一流企業に入社したもののブラックな職場に疲弊しているサラリーマン
  • 中央官庁で多忙な毎日に心身ともにボロボロになっている国家公務員
  • 業務量の多さと休日の部活で休みを取れずに心を病んでしまった先生

この人達のほとんどは、子どもの頃ちゃんと学校に登校していましたよね。

つまり、不登校を解決するってことは、このように「将来、心身がボロボロになってもいいから、学歴社会のレールに乗っていく」ことになるんです。

この現実を知った上で、好き好んで「不登校を解決したい」と願う子どもはいるんでしょうか?

学校の非効率すぎる学習システム

学校の非効率すぎる学習システム

さらに、「学力を養うために登校する必要があるか?」についてですが、もっと効率的な学習方法はいくらでもありますよね。

無理に登校したために、人間関係やいじめ等の学習とは関係ないストレスに晒されて勉強できないようなら、オンライン授業を受けたほうが学力向上が期待できます。

さらに、塾や通信講座など学習の選択肢は学校以外にも山ほどあり、学力向上にフォーカスするなら学校にこだわる理由はありません

むしろ、みんな一斉に同じペースで授業を受けなければならない学校の教育システムは非効率すぎます。自分のペースで学習を進められる個別指導塾や通信講座の方が、はるかに効率的といえるでしょう。

学校で身につけられる社会性には意味がない

学校で身につけられる社会性には意味がない

さらに「学校に登校することで、社会性が身につく」ですが、この「社会性」には3つの問題点があります。

  1. 同年代だけで集まる特殊性
  2. 多様なタイプの同級生と同じ時間を過ごす特殊性
  3. 未来の社会との乖離

これらの問題について、もうちょっと詳しく説明しますね。

同年代だけで集まる特殊性

会社も趣味の社会人サークルも、同世代で集まることはあっても、同年代だけの集まりなんて、ほとんどありませんよね。せいぜい、新卒の同期の集まりくらいでしょう。

社会では、世代間を超えてコミュニケーションを取る機会の方が圧倒的に多いはずです。

学校でも縦割り活動などを行っていますが、活動の基本単位は学年ですよね。同年代だけで同じ時間を過ごすのは、長い人生の中でも学校に通っているときだけなんです。

多様なタイプの同級生と同じ時間を過ごす特殊性

これは学校というより、正確には公立の小中学校の特殊性ですね。

高校では偏差値である程度進路が決まるので、価値観やバックボーンが極端に異なる人が、同じ学校にいることはほとんどありません。

さらに、大人になれば自分に合った職場を自由に選ぶことができます。

ところが、公立の小中学校の場合、学区域内の多様なタイプの同級生と同じ時間を過ごすことになります。こんな特殊な時期は公立の小中学校に通っている9年間だけなんです。

これはこれで貴重な体験と捉えることもできますが、異質な子ども同士がひとつの教室に閉じ込められたら、当然相性の合わない組み合わせも出てくるでしょう

大人だって気の合わない人とずっと同じ場所にいるのは苦痛ですよね。

しかし、大人には職業選択の自由があります。

いっぽう、子どもには学習の場を選択する自由はないんです。ましてや「みんな仲良く」なんて強制されたら、学校に行きたくなくなる子が出てきても何の不思議もありません。

未来の社会との乖離

現代は変化のスピードが目まぐるしく、リモートワークやクラウドソーシング、AI等の普及によって、子どもたちが大人になっている頃の社会の姿は、今とは大きく変わっているはずです。

つまり、今の社会で通用する社会性が、未来の社会で通用するとは限らないんです。

たとえば、リモートワークではメール等のコミュニケーションがメインになりますが、学校でのコミュニケーションはほぼ対面ですよね。

コミュニケーション手段が違えば、そこで必要とされるスキルも違います。

さらにいうと、日本の学校文化は明治時代の富国強兵をバックボーンにしています。整列や行進を子どもに強制させるのは、その名残ですね。基本的な学校文化はその頃から変わっていません。

対して、今の小学6年生をモデルとして考えると、この子たちが社会人になる10年後は2030年頃ですよね。要するに、学校文化の原型ができた頃と子どもが社会人になる頃とでは、100年近くの乖離があるわけです。

 

これほど問題点のある「学校ならではの特殊な社会性」を身につけることに、どれだけの意味があるんでしょうか?

むしろ、弊害のほうが多いのではないかとすら思えてしまいます。

重要性が薄れていく学歴

重要性が薄れていく学歴

最後に問題になるのが、「不登校によって学歴に傷がつくのでは?」といった心配ですよね。

たしかに、現時点では最大の懸念材料であることは間違いありません。しかし、これからは学歴の重要性がどんどん薄れていくでしょう。

学歴が大きな意味を持つのは新卒採用時

学歴が大きな意味を持つのは、おもに新卒採用時です。なぜかというと、企業にとっては新卒の入社希望者をかんたんに判定する材料が、学歴ぐらいしかなかったからなんですね。

でも、これからは違います。

学生がブログやSNSなどで自己アピールできるようになると、どんな考え方を持って学生時代を過ごしてきたが、どんなポテンシャルを持っているのか、といったことが容易に判断できるようになってきます。

実際、SNSを使った採用活動、ソーシャルリクルーティングをおこなう企業は少なくありません。

気軽にビジネスを始める学生たち

また、最近ではネット上に多くの起業インフラが整ってきました。これらのインフラはほとんどが無料で利用できるため参入障壁が低く、学生起業がどんどん増えてきています。

Webライティングやプログラミング、イラスト等の受注を、Twitterやクラウドソーシングを通じて請け負う学生の存在は珍しくありません。なかには大人顔負けの収入を得ている学生もあらわれてきています。

このような人たちにとって、学歴は今までほど大きな意味を持たないでしょう。

学歴社会が完全に崩壊するにはまだまだ時間がかかりそうですが、今後その重要性が薄れていくことは間違いありません。

親がフォーカスすべきこと

親がフォーカスすべきこと

このように、今後の社会の変化を考えると、学校で身につく社会性や学歴なんて、たいして役に立つものでもありません。

また、学力を身につけるなら、他にもっと効率的な方法はいくらでもあります。

つまり、登校するかしないかはたいした問題じゃないんです。もっと真剣に考えるべきなのは、子どもが将来生きていける本物の力を身につけること。

では、本当の生きる力を身につけるために、親が子どもにできることはなんでしょうか?

学校に行くことよりも、親がフォーカスするべきことは、

  • 学習習慣を身につけさせること
  • 子どもの「好き」を応援すること

のふたつでしょう。

学習習慣は一生モノの武器

なぜ、学習習慣を身につける必要があるのでしょうか?

これからは、学びが学生時代だけでは終わらないからです。変化の激しい時代に対応するためには、生涯学び続ける必要があります。

その際に大きな武器になるのが学習習慣です。毎日歯を磨くように学習が習慣化されていれば、当たり前のように学び続けることができるでしょう。

生涯学習が必須の時代では、子どもの頃に身につけた学習習慣は一生モノの大きな武器になるはずです。

子どもの「好き」を応援しよう!

そして、「好き」を追求することは、その子の独自性につながります。

テクノロジーの進展により発展途上国にも教育が行き渡るようになり、AIが多くの事務作業を代わりにやってくれるようになってきました。

従来のホワイトカラーがコモディティ化していく流れの中では、「この人にこそ依頼したい」と思われるようなオリジナリティを身につけることは、生きる力に直結します。

オリジナリティは学校から与えられた知識では身につきません。子ども自身が心から好きで、自分から「知りたい!」「やりたい!」と思えることを追求することで身につくものです。

以前の記事「20年後のAI時代を見据えた教育とは?レア人材を目指すブルーオーシャン戦略」でも紹介しましたが、さかなクンはとても分かりやすいモデルケースです。

さかなクンの代わりをできる人はいませんよね。

ぜひ、お子さんの個性を信じて、その子の「好き」を応援してあげてください!

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